2006年6月6日
見上げる坂道を、影は深く降りてくる
坂の下に立つと時々立ちすくむ。
あの日はメロンを抱え、坂を上った。
帰りは空虚な無力さに押し出されるように坂を下った。
同じ坂に偶然通りかかって、
18年ぶりに通りかかって、
鈍色の太陽に励まされた。
坂の上の病院は今はもうないし、
坂の上から企業城下町を形作っていた会社もない。
坂を賑わしていた関連企業はこぞって後を追い、
坂の上には見慣れない高層マンションが
時代を逆回しにしたような違和感でそびえ立っていた。
あのとき絶望にもあきらめきれなかった僕は、
ちょっとしたことであきらめの言葉を漏らすようになったけど、
あなたの足元にも及ばない僕は「成長すること」を
まだあきらめきれない。
投稿者 Papan : 00:40 | 日常