2006年1月24日

ホリエモン考察vol.1

ホリエモン逮捕に際して思うことその1。

検察関係者の言葉で「彼らは虚業だ」との趣旨の言葉があった。

ここずっと考えているのは、ネットだ、携帯だっていっても、インカム(収入)のバリエーションはそう多くないってこと。

ネットビジネス本業のインカムの多様化が見られず、サービスの拡大=コストも拡大する!に比べてブレイクスルーできていないので、金融の旨味にはまっていく。すなわち本業は金融の生み出す金に対して虚業に見える。その話については「その2」で詳しく。

ここではネットビジネス自体のビジネスモデルについて。

そもそもアメリカの公的(オープン)なインフラとしてスタートしたインターネット。誰でも情報を発信することができ、そのものは国境を越えたオープンなもの。すべての過程に利用料がかかるという既存のサービスセオリーは崩壊した。

ビジネスは当然、類似のものへ向かう。テレビやメディアだ。

Yahoo!などの決算資料を見ても分かるけど、ほとんどの収入が広告。

多くの人はインターネットはメディアじゃないというけれど、広告は電柱だろうが、ビルの屋上だろうが、スーパーのカゴだろうが、広告は"メディア"に掲示される。スーパーにとってはカゴは商品を運ぶものでも、広告業界にとってはメディアなんだ。

コミュニティーは?
コミュニティービジネスだって、ホテルのバンケットルームにある趣旨で集まった人たちの集いを想像してみたらいい。仮に時計好きの集まりとしよう。

彼らは無料でこのバンケットルームを利用し、主催者が用意した専門家や時計好きタレントの話しを聞くことができる。会員相互に談話を楽しみ、前の席にいるタレントなどの来賓にも話しかけることができる。

会は継続的に開催され、名刺交換もできるし、特定の会員同士の連絡の場にも使える。会場には数々の時計がディスプレイされている。

会場の隅にはスポンサーのチラシが置かれ、カードなどのあるスポンサーのところにはコンパニオンがいてその場で申し込みができる。別のスポンサーは隣の部屋に実際に時計を用意して即売をしている。会員の何人かが推薦をして、案内すると手数料がもらえる仕組みになっている。

まあ、多少のずれはあってもこんなものだ。コミュニティービジネスといっても、ビジネスとしてみればこんな図式をネットに置き換えたに過ぎない。

ネットのコンシューマー向けのビジネスモデルは、広告型、ユーザーチャージ型、物販(イーコマース)型が主流で、間接的に企業から収入を得るマーケティング型などはニッチに過ぎない。BtoBのビジネスの方が安定しているかもしれない。

ただこのバリエーションとしてアドワーズやアフェリエイト(ネット型アムエイ広告ともいうべきか)などの広告の新しい形や、デジタルコンテンツ販売などが生まれてきてはいるが。

だから、サービスモデルや利用者の一人に立ったコンセプトは盛り上がっても、ビジネスとして成り立たせるための収入モデルについては一言で片付けちゃう人が圧倒的に多い。

ビジネス、特にネットビジネスを考える上で一番重要なのは、収入のシステムやモデルといったところでいかに知恵を出せるか。ここをもっと多様化できたらネットビジネスは変わると思う。

もちろんキャリアにモデルを支配されている携帯も。

今注目の映像コンテンツ、ワンセグやストリーミングなどの放送コンテンツの話になったときも、たいていは無料か有料かという二者択一の議論になるけど、第3とはいわないまでも、ここに少しひねったインカムのモデルを考えなければいけないかも。

いったん無料になったものでユーザーからお金を取るのは相当難しい。かといって、広告市場の全体規模は倍々ゲームには絶対ならない。消費に対するコストだからね、広告(販促含む)は。

ああ悩ましい。ホリエモンは悩まなかったのかなあ。(つづく)

投稿者 Papan : 11:22 | ニュース